発表要旨

 

「患者をチーム医療の一員とするコミュニケーション術」

  
有田悦子 氏                  北里大学薬学部  薬学教育研究センター

要旨

“To error is human”と言われるように、ヒューマンエラーは必ず発生してしまうものであり、完全になくすことはできない。しかし医療の現場では、小さなエラーの積み重ねが重大な医療事故につながるため、万が一ヒューマンエラーがおきても、どこかで防止できる体制作りが必須である。そこで注目されているのが患者を医療 チームの一員としたエラー予防体制である。

旧来の医療チームの考え方は、患者の治療という目的のために様々な医療職が手を繋ぎあい、肝心の患者はその輪の中心で守られつつも非常に受け身の存在であった。それに対して患者を医療チームの一員とするためには、患者も自分自身の病態や治療方法などについて理解し、自分の疾患に主体的に立ち向かっていく必要がある。つまり医療行為に関する『情報』が適切に患者に伝えられていることが大前提である。そのためには医療スタッフのコミュニケー ションスキル(技術)が非常に重要になってくるのである。


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