「患者の立場から見た医療現場のコミュニケーション・ギャップ」
阿部邦子 氏
童話作家
要旨:
病院になど、行ったことがない、という人もおられるようですが、私の身体には、
九回、メスが入っています。そして、童話作家だった筈なのに、『マンマ質問箱』な
んて本を出して頂いたおかげで、全国から、病気や病院に関する相談が、数多く寄せ
られました。そういったことから、今回のテーマについて、皆さんとご一緒に、改め
て考えてみたいと思い、参加させていただきました。よろしくお願いいたします。
私が、入院して、また、相談を寄せられて、コミュニケーションには何が一番大事
かと結論付けたかと言うと、それは『言葉』です。当たり前過ぎて、拍子抜けなさっ
た方も多いと思いますが、この、『言葉』というのは、案外、なかなかに厄介な代物
なのです。使う人によって、また状況によって、同じ言葉が、金の値打ちを持った
り、鉛の重さになったりするのです。
それから、互いが『どう呼び合うか』も、とても大切なことだと私は思っていま
す。その具体例を、幾つかお話してみたいと思っています。
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